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 あのふたりは、プログライトでの戦争を終え本国へと帰っていた。

 しかし、彼らを待ち受けていたのは至極残酷なものだった。

 

「リビドー群島へ全隊移籍?!」

「そう大声を出すな。私だって予想外で頭が痛いんだ。ったくあのじじい、まさかこんなことを為出かすとはな」

 

 リーフガット――和風煙管を吸う彼らの上官は頭を抱えて呟いた。そんなサリドは狼狽えていたが、以外にもグラムは冷静を保っていて。

 

「もうしゃーないんじゃないの? だって、敵は国のトップだし。ほんと、とんでもねーものに首を突っ込んじまったよ」

 

 なんとまあ、コーヒー牛乳をのんでゆったりとしているのだった。

 

「なんでそこまでゆったりできるんだ? 俺にはお前の思考が理解できない」

「理解できないと言われても結構。俺は疲れたんだ。連日の戦争、戦争、戦争に。リビドー群島は“楽園”だっていう噂じゃねえか。なら、行った方がいいと思うんだけど?」

「馬鹿が。リビドー群島が本来の意味での楽園ならみんながそこへ行ってインフレ起こしてるわ」

「え?」

「リビドー群島をよく知らん貴様らのために言ってやる。リビドー群島は“厄介者たち”を集めためんどくさい島なんだ。確かにあそこは“仕事をしないという意味では”楽園だろうな。しかし、あそこは見る人間によっちゃ、地獄だよ」

「おいおいおいおい!! つまりそれって俺たちが厄介払い喰らってるみたいじゃねえか!!」

「現にそうだけど?」

「そう言って営業スマイルで微笑むんじゃねえよ!! 誰のせいでこうなったんだ?!」

「さっきまで喜んでなかったかい……?」

 

 グラムの心変わりの速さにサリドはため息をつくことしか出来なかった。

 

 

 

つづく。