とある放課後の茶会

「よっしゃぁ。それじゃはじめよか」

 春乃の言葉で、一同はカップを持って、

「かんぱーい!!」

 そう言って、それぞれカップをぶつけ合った。

 ここは、鈴菜の家。

 予定があう人間だけではあるが、ここでお茶会を開くこととなったのだ。

「クッキーとかいろいろあるから……。

 あら、優菜、それ何?」

「甘食だよ。

 とってもおいしいんだよ」

「いや、わかるけど!

 持ち込みオッケーって言った!

 言ったけどさ!

 どうして、クッキーでもお菓子でもなんでもない甘食に落ち着いたわけ?!」

「マイブームってやつだよ。

 鈴菜ちゃん」

「いや、マイブームって……」

「……寺島鈴菜、紅茶のおかわりをいただきたいのだけど」

「あっ、分かったわ。

 ちょっと待ってね!

 今、お湯を沸かすから」

 そう言って鈴菜は立ち上がって、ガスコンロの方に向かう。

「あぁ、やりましょうか?」

 と、同時に篝も立ち上がって、言う。

「あら?

 やってくれるの?

 なら、嬉しいわ。

 でもこれは私がやろうっていったんだし別にいいわよ。

 御行さんは座って待っていて」

「そう」

 篝は小さく頷いて、また元のところに座った。

「……んで、なんで僕はこの女子群の中に紛れ込まなくちゃいけないんだろうね?」

 女子に囲まれている不貞腐れたやしーろは言った。

「何不貞腐れてんのー?

 女子に囲まれてんだから、もっと喜んでもいいもんじゃないの?

 ほら、笑顔、笑顔!」

「う、う~ん?

 こ、こうかい?」

 とりあえずやしーろは究極の作り笑いをした。

「そうそう、だから笑って笑ってー」

「ん?

 何をしようとするんだい?」

「あれ?

 聞いてないの?

 写真撮るんだよ。

 シャ・シ・ン♪」

「聞いてないよ。

 そんなの!」

「まっ、ハプニングってのも大事じゃん?」

「だからって、そんなのはないよ!」

「はいは~い、お二人くっついて~!」

 鈴菜の言葉で優菜はやしーろに抱きつく。その……なんていうか、いろんな場所がぶつかって気になる。特に胸。

「えっ。

 えっ?!」

「はい、チーズっ」

 刹那、やしーろの目が光に包まれた。

 

 

***

 

 

 一週間後。

「寺島鈴菜、」

「ん?

 御行さん、どうかしたの?」

「……この前の、写真をいただきたいのだけど」

「あぁ。

 そうね。

 ちょっと待って。

 今日持ってきたから……っと!」

 鈴菜はそう言ってカバンのチャックを開け、すぐそばにあった封筒を出す。その封筒には写真が入っていて、そのうちの一枚を取り出した。

「はい!

 これがあの写真!」

 篝はそれを受け取って、見て、微笑んだ。

「……また、やるときは」

「え?」

「私も、また呼んでくれるかしら?」

 篝の言葉に、鈴菜は笑って、

「もちろん!」

 拳を握り、親指を突き出して、言った。