第11話

「カナリアや~い」

 ダグラスとダイアナはそれぞれ声を張り上げ、ローラを探す作業に写っていた。

「見つからないなぁ……。

 いったいどこにいったんだろう」

「さっきのおじいさんが言うには、通路? みたいなのを使って彼女だけの空間に行ってるらしいわね。

 それを探すのが先決かしら」

「でも、裏を返せばそれが見つからなくちゃダメなんだろ?

 難しいことなんじゃないのか?」

「そうだけど……。

 せざるを得ないでしょ?

 急がないと、見つかるものも見つからないわ」

 むむ、とダグラスは両手を抱えて考えていた。

「だが、通路か……。

 ヒントがないと難しいなぁ……」

「そう言えば。さっきの、ネス、だっけ?

 なんか言ってたわよね」

「ああ。

 『木を隠すなら森の中』だっけ?

 全く意味が解らないけれど。

 あれは一体どういう意味なんだか」

「いや……待って。

 『それ』って、もしかして……!!」

 ダイアナはそう言って目線を向こうに向けた。

 そこには、塀の支柱が並んでいた。 

 

 

 

***

 

 

 

「どういうことだ。

 つまり……?」

「ええ。

 たぶんこの支柱の中にダミーが有る!

 だから、早く探して――」

「あったよー」

「ええーっ?!」

 ピッピの余りにも速い正解発表に、ふたりは驚いた。

「もしかして。ここに……」

 その支柱はどこか色が暗かった。

「これじゃあバレるわよねぇ……」ダイアナは落ち込みながら、「ま、いいわ! とりあえず開けましょう!!」

「そうだね」

 そう言ってダグラスは支柱を押した。支柱はまるで図体とは想像がつかない軽さだった。

 そして、押すとそこには、

 一匹のカナリアがいた。