第8話
まさかのダイアナの言うとおりだった。
ピッピはなんと墓場の地下にあった棺桶の中に入っていたのだ。だが、4つあるうちの3つがゾンビ入りで、よくこの子は入れたな、とか思ってしまうのだが。
「とりあえず見つかってよかったですねー」
「えぇ」
ダグラスとダイアナはお互いにそう言った。
「おにいちゃんが私を助けてくれたの?」
「そうだよ」
「お兄ちゃん、勇気あるんだね」
「そんなわけないよー? お兄ちゃんも怖かったよー?」
「……また、会えたらいいね」
「そうだね」
そう言っていると、ピッピが何かを渡してきた。
「……これ、あげる」
それは小さなバッチだった。
「これ……もらっていいのかい?」
「うん。
それはお兄ちゃんが持ってるべきだもの」
ピッピの言葉を聞いて、ダグラスはそのバッチをつけた。
***
「ところで、これからどうするの?」
墓場を出て、ダイアナは尋ねた。
「まずは、町長に報告しようと思います。
そのあとは……どうしようかなぁ。
このカナリアの子供をどうにかしたいですねえ」
「それなら、カナリア村に連れていったらどうかしら?」
「カナリア村?」
「あら、知らないの?
マザーズデイの北にあるカナリア村。
確かメスであるのに美しい歌声を聴かせるカナリアがいるって有名よ」
ダイアナは笑って、言った。
「わたしも、カナリア村行きたい!
ローラに会いたい!」
「ローラ?」
「さっき言った美しい歌声を聴かせるカナリアよ。
…行ってみましょうか?
まだ、大丈夫でしょう。カナリア村に寄り道をしても怒るような人間でもないでしょうし」
「……そうですね」
ということで、
ダグラスたちはカナリア村へ行くことにした。