第7話

「どこまでついてくつもりですかー?」

「私の気持ちが休まるまでです!

 あなたなら墓場の魔物を倒せる気がするから!」

「魔物?」

 ダグラスはダイアナからその言葉を聞いて、振り返った。

「もしかして、町長から聞いていないんですか?

 実はあの墓場は化学工場の臨床実験棟を破壊して作られたもの、って。

 実際に壊されたのはもう数十年も前なんだけど……、今でもそれで巨大な人間が現れる……って噂。

 あなたもマザーズデイ出身でしょう?

 なら知っていると思ったんだけど……」

「いや、知らなかった。

 生憎僕はマザーズデイでも外れの方の出身でね?

 墓場に行ったことすらもないのさ」

「まぁ、そういうのは伝承に過ぎないですけどね。

 今は小さな教会があるだけですし」

 そうこう話をしている間に、ダグラスたちは教会へとたどりついた。

 

 

***

 

「ゾンビがこの墓地にはいます。

 気を付けてくださいね。

 私は彼らに神の教えを伝えようと努力しているんですが……、やはり難しいです」

 ダグラスは教会に寄って、牧師の話を聞いていた。

「ところで……、ひとつ聞きたいんですけど。

 魔物っているんですか?」

「魔物……?

 ハハハ。私はここで20年以上過ごしていますが、魔物なんていませんよ。

 そんなのはまやかしです。

 もしそんなのがいたら私は荷物まとめて逃げてますよ」

「ははは……。そうですよね……」

 ダグラスは愛想笑いをして、ひとまず教会を後にした。

「とりあえずどうするか……。

 女の子……ピッピちゃんを見つけなくちゃいけない」

「もしかしたら遊びで棺桶の中に入ってたりして」

「まさか」

 ダグラスはせせら笑った。