第5話
「そうか…。ダグラスには大変なことになってしまったな……」
夜、ダグラスはパパに電話をかけ、明日墓場へ向かうことを伝えた。
「いや、別に大丈夫だよ。
僕が任されたことだし。
とりあえずママにも電話しておいたら、パパと同じこと言ってたよ」
「だろうな。ママもパパに似てお節介だし」
パパはそう言って「うんうん」と頷いていた。
「ところで、墓場に行くったって、武器とか必要なんじゃないか?
バットとか、持っていたらどうだい?」
「一応地下室にあったバットを護身用に持っていったんだけど、マザーズデイの中心に着くまでにボロボロになっちゃったよ」
「そうだろうなぁ……。
とりあえずデパートに行って武器とか買ってみたらどうだい?
そういえば今デパートで鳥の販売会がやってたっけかなぁ」
パパはそんなことを言って、電話を切った。
***
次の日の朝、ダグラスはまず町一番の広さを誇るデパートへ向かった。
目的は一つ。武器の補充だ。
「えーと……5階にあるんだっけか……」
彼はそんなことを言いながらエレベーターに乗る。デパートは5階建てだ。よく考えて欲しいのだがなぜデパートに武器が売っているのか? という質問はあまり考えて欲しくない。
「さーてと、とりあえずこれでいいかな……」
いろいろ武器を品定めして結局バットに収まったダグラスはエレベーターに乗ってエントランスへ降りようとした。
そこでふと、『鳥即売会実施中』という小さな看板に目が入った。
「そういえばパパが言ってたっけ……」
そう言ってダグラスは屋上へと続く階段を登った。
***
階段を登った先にあったのは疎らにあった店。
3,4軒しかなくて、これで即売会と呼べるのか? というほどだった。
「ちょっと的外れだったかな……。
暗くなる前にさっさと目的の場所へ行った方がいいのかも……」
そう、ダグラスは思っていた。