心の空洞編

 心の空洞。
 イッシュ地方南西に位置する洞窟で、最奥部はシンオウ地方にもつながっているとされている。
 そこにクリスタルはやってきた。
「こんな場所に洞窟があるだなんて……」
 クリスタルはそこに足を踏み入れた。
 中は意外と広く、いくつかの水たまりが床に広がっていた。
「ここは……いったい?」
 もともとここには何かいたのか、少し岩の部分が崩れていたりしていた。しかし、クリスタルが目につけた場所はそこではなく。
「このノートは……?」
 そこにあったのは、一冊のノート。クリスタルはそれを見つけ、そして開いた。
『9月16日。
 私の研究ももう10年となる。この空洞。イッシュとシンオウを結ぶ、いわばキズナのような場所。そこを探索しても物理的にシンオウへは行けない。ならば、ここを結ぶキズナとはなんなのか……』
『9月22日。
 この空洞はどうやら心を司るポケモンが眠る祠のようなものらしい。つまりは昔はここにいたのだろうか? その心を司るポケモンが?
 しかし実際、そのことに私たちはまだ気づくことはない……』
 ノートにはこれしかかいていなかった。(実際には何らかの文章は書いてあるのだろうが、だが水にふやけて見ることはできない)
「……謎は、残るだけか」
 そう言ってクリスタルは洞窟を抜け出した。
つづく。