072.眠る猫は本意を知るのみ

【A】
あれはきっと抑制できない
塊なのかってわかってるんじゃない?
僕の中に生まれた僕と僕が
戦ってできた蟠りなんじゃないか?

【B】
現実で感情制限して僕はオリジナルの
感情を生み出せずにいる
どうしようもない企画飛ばしを
笑って見つめていりゃいいんだってことを

【C】
そんな時にも僕の中の僕は戦っているだけ
君の外の僕にも理解を示して欲しいのに
戦って苦しまない人間なんていないことはわかってるんだろ?
そしてそれを逃げるだけの人間に成り縋るのか?

【A】
鴉が飛んで呟いた。
「さあここからお逃げよ」太鼓を叩き
僕の中の僕から僕は逃げるのか?
鴉はそれを分かって言っているのか?

【B】
鴉は激昂して飛び交った。彼も制限できない感情を
僕に巻き散らかしている。
王国に生まれた柵に囚われた姫を
助けるのが英雄ってもんだろ そうだろ

【D】
攻守交代 いざ参り
孤独の中ただ戦う剣士
君こそが我が友 我が戦友[とも]
狙い定め 武器を構え
敵は……誰になる?

【E】
ふと起きたらここは私の部屋
綺麗になってる私の部屋
なんか夢で僕とか言ってる私がいたけど
「私は私っ!」とか思いながら
今日もまた私にすら知り得ない感情をかくして
一日を過ごすのです。

 

 

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20120105投稿

 

"彼女が見たのは、何?"